永住ビザの申請について
私は、日本という国が大好きなのでずっと住み続けたいとお考えの外国人の方もいらっしゃると思います。日本に住み続けたい外国人の方は永住ビザを取得することで日本に住み続けることができるようになります。では、永住ビザを得ると何が違うのでしょうか?
永住ビザの一番の大きな違いは、在留期間が無制限になることです。つまりビザの更新がいらなくなるのです(ただし、7年に一度かならず在留カードの更新は必要です)。そして、どのような仕事にも原則として就くことが可能になります。
●引き続き日本に10年以上住んでいるという条件をクリアすると永住ビザの申請をすることができます。
●現時点で、あなたが高度人材外国人として認められていると3年間日本で生活した段階でもう永住ビザの申請が可能になります。
●あなたの高度人材ポイントが80点以上であれば、日本での滞在期間が1年を越えると永住許可申請が可能となります。
●日本人と国際結婚をしている場合の配偶者ビザであれば3年で永住が認められます。結婚したのが海外で、3年間の要件を満たしている場合は、日本に続けて1年間夫婦で在留すれば永住許可申請が可能になります。
ただし、税金を納めていない場合(国税だけではなく、住民税も含まれます。納税証明書が取得できない場合)や、交通違反等の問題があると許可を得ることが難しくなります。
最近の事例だと、独身者で年収400万円以上、ご夫婦で年収500万円以上、子供がふたりいる場合だと年収550万円以上の生計維持要件が求められる傾向があります。
また、日本人と同じように納税していること、年金や健康保険などの社会保険料を納めていることが重要です(納税と社会保険料納付の2点については確実に支払いが行われている必要があります)。
最近では、これに加え、過去に転職があるような場合に、活動機関に関する届出を各出入国在留管理局に提出していることも求められます。また、出入国在留管理局の四谷オフィスにメールでも届は可能です。
2019年7月は在留カードの制度がスタートして7年経過することとなり、永住権申請の要件も見直しされることとなりました。具体的な見直し内容は「技能・人文知識・国際業務」と「技能」の在留資格の外国人の永住権の申請要件が厳しくなるとともに申請するための提出書類がより多くなり、更に厳格化されることとなりました。
永住ビザの許可が下りてから注意すべき点
永住者となっても外国籍であることには変わりはないということです。ですから、引き続き住民登録が必要になります(住民登録基本台帳法が改正され外国人も国内居住地への住民登録が必要となりました)。また、永住ビザを取得しても6年間以上日本にまったく住んでいないと永住権の取り消しとなる可能性もあります。原則として6年以上、日本に住民登録されていることが必要となります。
当然ですが、永住ビザがあるといっても、脱税なども含めた犯罪に関与してしまうと国外への退去強制の対象となります。つまり、永住できなくなります。日本では永住権も取り消し対象になるので注意が必要です。
親の帯同などを考えている場合は、「高度専門職第2号ビザ」の方が永住ビザよりメリットが大きいケースもあります。
それから、一時的に本国に帰りたいと思っているときにも注意が必要です。1年以内に日本に帰ってくる場合には再入国許可は必要ありませんが、1年以上帰ってこない場合には必ず再入国許可の手続きをしてください。日本に1年以上戻ってこない出国が判っていながら、再入国許可の手続きを忘れて日本の国外へ出てしまうと、残念ながら永住許可そのものが無効になってしまいます。
新型コロナウイルス感染症による入国制限のため、みなし再入国の期限である1年以内に日本に戻ってこられない外国人の方が増え、永住権をうしなうこともありました。再入国許可申請は危機管理の観点から重要となります。
永住許可を持つ外国人の配偶者が亡くなったり離婚した場合
では、永住権を持つ外国人の日本人配偶者が、死んでしまったらどうなるのでしょうか?
また、離婚という結末になった場合はどうでしょうか?
これらのケースだと、永住ビザ(在留資格)に影響はありませんのでご安心ください。
永住申請の手続きについて(資料や書類について)
永住を希望する場合、出入国在留管理局からどのような資料や書類が求められるでしょうか?
まず、永住許可申請書の提出が必要になります。
そして、日本で永住許可を希望する明確な内容の理由書を日本語の文章で作成し提出します。補足資料として、自分の働いている時の写真や家族と撮った写真も添付するといいでしょう。自分をアピールするため日本への貢献を証明できる資料やボランティア活動参加の証明など、有利になる資料はできる限り多く集め、提出する方が良いでしょう。
身分関係を証明する資料では、戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書などさまざまな資料が求められます。加えて、申請する外国人の方の住民票(2012年7月9日以降は外国人にも住民票が発行されます)も必要です。その他のプラス要素としては勤務先会社社長や大学長などからの推薦状が効力を発揮します。
経済力や地位を証明するための資料としては、在職証明書、会社役員の場合は法人登記簿謄本、自営業者の場合は確定申告書のコピーを用意します。
所得の証明として、源泉徴収票、自営業者の場合は住民税の課税証明書と納税証明書、国民年金や国民健康保険料の納付証明書を用意します。
さらに、銀行預金の残高証明書か通帳の残高を証明するコピーも提出する必要があります。
不動産登記簿謄本については、不動産をもっている人のみ必要です。
地域住民として納税していることも重要な審査の基準なので、住民税納税証明書も提出します。年金の加入記録の証明は「ねんきんネット」を利用し、納付状況をプリントアウトします。また、年金事務所に行って年金記録に係る、被保険者記録照会回答表および、被保険者記録照会納付Ⅰと納付Ⅱのデータをプリントアウトしてもらい提出します。
外国人の方にとって大変なのは、身元保証の資料を準備することかもしれません。
身元保証人は、日本人か永住者の方ということになり、身元保証書、保証人の職業証明書、保証人の所得証明書(任意)、保証人の住民票まで求められるのです。
身元保証人は、社会的地位がある人や経済力のある日本人に頼むのがよいでしょう。日本人と結婚している場合には日本人配偶者が身元保証人になります。
もし、永住を希望する外国人の方が日本国あるいは地方の自治体から叙勲や表彰状などを受けていれば、その写しを提出します。ボランティア活動をしていた場合はその証明となる資料を提出します。
これらの書類や証明書をそろえて申請をすれば、永住ビザを取得できる可能性が出てきます。
最近の事例だと、独身者で年収400万円以上、ご夫婦で年収500万円以上、子供がふたりいる場合だと年収550万円以上の生計維持要件が求められる傾向があります。尚、この基準額は毎年変わりますが、日本人の平均年収以上というのがひとつのハードルとなります。
とくに納税義務を果たしていることが最も重要なポイントとなり、また安定した収入の職業に就いていることがポイントになる傾向があります。とくに、日本の年金制度への加入も厳しくチェックされる傾向があります。
もしあなたが、就労の「高度人材」に該当する場合、5年未満の日本滞在歴でも永住許可を取得できることがあります。近い将来「高度専門職第1号」でポイント70点以上なら3年で永住できるようになります。もし、高度人材ポイントが80点を越えていれば、来日後わずか1年で永住許可申請ができます。
注意点としては、永住許可の申請中に、申請人である外国人の方のビザ(在留資格)の在留期限が満了してしまう場合は、期限が来る前に必ずビザの期間更新許可申請を行っておくことです。
2019年7月1日より「技能・人文知識・国際業務」と「技能」の在留資格の外国人の永住権の要件が厳しくなりました
2019年7月は在留カードの制度がスタートして7年経過することとなり、永住権申請の要件も見直しされることとなりました。
具体的な見直し内容は「技能・人文知識・国際業務」と「技能」の在留資格の外国人の永住権の要件が厳しくなるとともに申請するための提出書類がより多くなり、更に厳格化されたことです。
特に税金、年金、健康保険料に関して未納や支払い遅れがあると不許可になる確率が極めて高くなりました。
基本となる提出書類等は下記のものとなります。
- 永住許可申請書
- 写真(3×4センチ)
- 理由書(日本語で記載)
- 家族が「家族滞在」の場合には以下の証明書が必要です
(1)戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
(2)修正証明書 1通
(3)婚姻証明書 1通
(4)認知届の記載事項証明書 1通
(5)上記(1)から(4)に準ずるもの - 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票(マイナンバー記載のないもの)
- 申請人または申請人を不要する方の就業を証明する次のいずれかの資料
(1)会社勤務の場合 在職証明書
(2)自営業等である場合
a.確定申告書の控えの写し
b.営業許可書の写し(ある場合のみ)
(3)その他の場合
職業に係る説明書 - 最近(過去5年間)の申請人または申請人を扶養する方の所得および納税状況を証明する資料
(1)住民税の納付状況を証明する資料
①直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)、各1通
(※)1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方で構わないとされています。
②直近5年間において、住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写しや領収書などが証明書類になります)
(2)国税の納付状況を証明する資料
源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税に係る納税証明書(その3)
(※)納税証明書(その3)は、証明を受けようとする税目について、証明日や現在において未納がないことを証明するものです。そのため、対象期間の指定は不要となっています。
(3)その他、申請人の所得を証明するもの
①預貯金通帳の写し
②収入が証明できるほかの資料 - 申請人又は申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
(1)直近(過去2年)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料
①「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもの)
(※)毎年誕生日の月に送付されてくるハガキ形式の「ねんきん定期便」は、全ての期間が確認できないため、提出資料としては認めてもらえません。
②ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
(※)日本年金機構のホームページから、ねんきんネットに登録することができます。
https://www.nenkin.go.jp/
なお、永住権許可申請時の直近2年間において、国民年金の被保険者であった期間がある方は「各月の年金記録」の中にある「国民年金の年金記録(各月の納付状況)」の印刷画面もあわせてプリントアウトし、提出する必要があります。尚、納付状況に未払いがあったり、支払い遅延があると永住権を取るのは厳しくなります。
③国民年金保険料領収書(写し)
(※)直近2年間において国民年金に加入していた期間がある方は、その納付を証明する国民年金の保険料を提出しなければなりません。
(※)直近2年間において全ての期間において国民年金に加入していた方
で直近2年間(24月分)の国民年金保険料領収書の写しを提出できる場合は①の「ねんきん定期便」と②のねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面は必要ありません。
(2)直近(過去2年)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
①国民健康保険被保険者証(写し)
これは国民健康保険に現在加入している人のみです。
②健康保険者証(写し)
現在、健康保険に加入している人が提出するものです。
③国民健康保険料(税)納付証明書
直近2年間において、国民健康保険に加入していた期間がある方は、この納付証明書も必要です。
④国民健康保険料(税)領収証書(写し)
直近2年間において、国民健康保険に加入していた期間がある方は、その2年間分の領収証書(写し)を全て提出しなければなりません。提出できない場合は、その理由を記載した理由書を作成する必要があります。
(3)申請する外国人が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合
永住権許可申請をする時に社会保険適用事業所の事業主である外国人は、「公的年金の保険料の納付状況を証明する資料」及び「公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料」を提出する必要があります。
さらに、直近2年間のうち当該事業所で事業主である期間について事業所における公的年金及び公的医療保険の保険料に関する①か②のいずれかの資料の提出が必要です。
①健康保険、厚生年金保険料領収証書
直近2年間のうち事業主である期間における全ての期間の領収証書の写しを提出する必要があります。
②社会保険料納入確認(申請)書
日本年金機構のホームページから「社会保険料納入確認(申請)書」(未納の有無を確認する場合)により申請できます。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyonushi/sonota/20140311.html - 申請人または申請人を扶養する方の資産を証明するいずれかの資料
①預貯金通帳の写し
②不動産の登記事項証明書
③①と②に準ずる証明資料 - パスポート
- 在留カード
- 身元保証書
身元保証人は日本人か永住者である必要があります。
身元保証人の
①職業を証明する資料
②直近過去1年分の所得証明書
③住民票
が必要となります - 日本に対する貢献を証明する資料
①表彰状、感謝状など
②所属会社の代表者によるレコメンデーションレター
③ボランティア等を日本で行った証明
④自分の働く分野において日本に貢献があったことを証明する資料、学会での発表や特許の取得、本の執筆など - その他
就労系の場合でも、日本人と結婚している場合はその戸籍等の提出を行うことが求められます。
これらについてはあくまでも基本となる説明書類となります。これら以外に任意で提出した方が良い書類があるので、以下に説明をいたします
高度専門職の場合の永住権申請
高度専門職の永住権申請については、通常の永住権申請の必要書類に加えて、必要年数分のポイント数が満たされていることを証明しなければなりません。
高度専門職(90ポイント)の外国人が永住権の申請をする場合、下記のような説明書を作成するのがよいでしょう。
高度専門職の在留資格があったとしても、それが優遇されているのは、日本での在留期限についてです。納税義務や年金保険料支払い義務に不備がある場合は、永住ビザ取得の道は閉ざされてしまいます。この点十分な注意が必要です。
永住権に必要な高度人材の在留期間は、80ポイント以上は、1年で、70ポイント以上は3年です。
永住権申請のための任意書類
永住権申請の推薦状(レコメンデーションレター)
永住権申請者へのレコメンデーションレターは下記のようなパターンで書くと良いでしょう。会社の上司や代表取締役が書くと効果があります。
永住権申請の嘆願書
ここでは例として永住権申請者の嘆願書を申請者の妻が書く場合の例を掲載します。
ポイントとしては審査官が理解できるような内容で、出会いからこんにちに至るまでの経緯や日本での生活実態、将来の計画などを書いていきます。
2021年版 永住権審査のポイントと永住権許可への道
最近は、永住権申請の件数も増え、2019年7月以降は審査基準も厳しくなりました。年収や年金については絶対的な基準をクリアしないと永住権申請で許可を得ることは不可能です。日本の年金制度に加入しており、少なくとも過去2年間年金保険料を支払い(一部例外あり)、日本人並みの年収を得て、所得税、住民税その他各税金を遅滞なく納めていることが重要です。
永住権審査のポイントその1 年金・保険の加入と支払い
永住権取得のためには年金制度に加入しており、保険料も納付期日までに必ず支払う
現在外国人が永住権の申請をして不許可になる大きな要因の一つが、日本の年金制度未加入や年金保険料の未払いです。
日本人の配偶者であってもパートナーである日本人に年金保険料の未払いがあると容赦なく不許可の通知がきます。
国民年金に加入のフリーランス外国人が永住権申請する場合の提出証明書について
個人事業主等は、日本で国民年金に加入していることが必要です。現在出入国在留管理局では、「年金記録に係る被保険者記録照会回答票」「被保険者記録照会」の「納付Ⅰ」及び「納付Ⅱ」の3種類の提出が求められます。
「被保険者記録照会回答票」は、加入制度、資格取得年月日、資格喪失年月日、加入月数の情報が印刷されています。
厚生年金制度に加入していれば、勤め先の名称も記載されますが、フリーランスの場合、国民年金とだけ記載されています。
「納付Ⅰ」は、国民年金保険料を決められた納付期限までに支払っているかどうか、支払日のデータが打ち出されます。外国人の場合、銀行の口座振替を使わずに請求書が来るたびにコンビニエンスストア等で支払っているケースがあります。コンビニエンスでの支払いにしていると仕事が忙しかったりして納付期限を過ぎてしまうようなことがあります。この納付期限までに支払っていないということが重大問題となります。国民年金法を守っていないので永住権不許可という審査結果になることがあります。
インド人の家族が永住権申請をしてご主人は厚生年金、奥様は国民年金というケースがありました。奥様について、いままでの全て保険料は支払っていたのですが、納付期限に間に合わなかったことが3度ありました。ご主人は全く問題なかったのですが、奥様の国民年金保険料の支払い遅れが原因で永住権申請が不許可となりました。
「納付Ⅱ」は、過去2年間全てのも区民年金保険料を支払っているかどうかをチェックするために使われます。過去2年間に正当な理由なく支払っていない時期があると、これもまた永住権申請が不許可となります。なお、出入国在留管理局は、国民健康保険料についても証明書を求めてきます。その場合、市区町村から発行される国民健康保険料納付額等証明書を提出し、保険料を完納していることを明らかにします。
永住権審査のポイントその2 追加資料の提出
審査官が求める永住権申請後の追加資料提出について速やかに対応する
最近の傾向として、永住権申請後数か月後に出入国在留管理局の審査官から追加資料を求める郵便が届くことがあります。その指示内容を充足する資料を提出していかないと不許可になる可能性が高くなります。
日本人配偶者である外国人の場合に出入国在留管理局の審査官が追加で提出を求めてくる可能性がある資料について
日本人の配偶者の戸籍謄本、出生証明書(出生届受理証明書)婚姻証明 書
申請人世帯全員分の住民票(個人番号以外記載省略の無いもの)
(申請人本人、夫、妻、父、母)等の職業等を証明する資料
在職証明書(採用年月日が記載されているもの)
在学証明書
経営する会社の履歴事項全部証明書
確定申告書の控えの写し(年度が特定され第1表と第2表の写しの提出が求められます。)
(申請人本人、夫、妻、父、母)の所得を証明する資料
住民税課税証明書
住民税納税証明書の最新年度版(市区町村窓口で入手します)
(申請人本人、夫、妻、父、母)の国税の納税状況についての資料 源泉徴収税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、相続税、贈与税に係る納税証明書(その3)(管轄の税務署発行のものですべての税金を正しく納付していることの証明となります。)
世帯全員の健康保険証のコピー
世帯主の国民健康保険税「納税証明書」、「納付領収書」のコピー。提出する年度が指定されます。指定された期間に世帯全員が社会保険に加入している場合は不要となります。
(申請人本人、夫、妻、父、母)の年金記録に係る「被保険者記録照会回答票」、被保険者記録照会(納付Ⅰ及び納付Ⅱ)。この3点セットは世帯単位で提出を求められます。この資料は管轄の年金事務所で発行されます。
身元保証人の世帯全員分の住民票及び職業を証明する資料及び直近1年分の所得を証明する資料
その他審査官が裁量で他の資料を求めることがあります。この提出要請は必ず提出する必要があります。
永住権審査のポイントその3 年収要件
年収要件をクリアした段階で申請する
外国人の年収要件については、前総理大臣が国会で日本人の平均年収レベルの収入のない外国人には永住権を許可しいないと表明したことから基準が厳しくなりました。結婚している外国人の場合、日本国内の所得が、住民税の課税証明書に記載されており、所得の証明書類になります。
永住権申請の年収要件について
外国人の永住権申請にあたり、生計維持要件があります。以前は、10年間日本に在留していれば、300万円台の収入でも永住許可が下りることがありました。2019年以降、永住権取得のために求められる収入レベルは高く設定されることになりました。
現在では平均的日本人の年収レベルに達していることが求められています。毎年1月から4月の間に統計調査のデータを基に年収の最低要件が決められるそうです。
日本全体の平均年収は都市によってばらつきがありますが、420万から440万円程度と国税庁の民間給与実態調査では示されています。この指標の数値により、永住申請した外国人が平均的な日本人並みの年収を得ているかを審査する重要な要素となり、この指標を上回っていないと年収要件で不許可となる可能性があります。
ただし、夫婦で永住権申請する場合、配偶者が日本人の場合は、世帯の年収の合算で審査されますので、この値は変わってきます。
現状、4人家族(夫婦と子供2人)というケースでは、少なくとも500万円以上の年収を証明(住民税の課税証明書等)する必要があります。
永住権を希望する外国人が増えたこともあり、今後はさらに年収要件も厳しくなることが予想されます。
年収額が多くても、4人以上扶養家族をいれているようなケースは、納税額が低くなり、不許可の要因になります。
あと、配偶者が家族滞在の在留資格で週28時間を守らず、資格外活動違反の状態が続き、フルタイムで働いているようなケースも不許可の要因となります。住民税の課税証明書の金額で、違反状態はすぐわかってしまいます。
永住権審査のポイントその4 日本への滞在
永住権申請後、日本を長く離れない
外国人が理解していない盲点が、永住権申請後の離日です。6か月を超えて日本
を離れる場合、日本に在留していないという理由で落とされてしまいます。
高度専門職のポイントが90点以上あるような優秀な外国人でも、海外のプロジェクトに携わる時間が長く、日本の滞在日数が少ないという理由だけで不許可にされることがあります。
永住権の申請書類を提出するまでの期間に日本にいても、その後永住審査している期間中に日本を離れてしまうと、それまでの実績があっても考慮されない厳しい結果になります。
永住権審査のポイントその5 喧嘩等のトラブル
永住審査期間中に日本でトラブルを起こさない
外国人の方で、つまらないことで日本人と喧嘩して暴力行為を起こしてしまったケースや、休みの日に自動車運転をしてスピード違反で赤切符をもらい前科が付いてしまうようなことがあります。このような行為が永住権審査期間中にあったりすると、ほぼ確実に不許可になります。
永住権審査のポイントその6 転職や引越し
転職した時や引っ越しした事実を速やかに出入国在留管理局に伝える
永住権の申請した後に仕事を変わった時、新しい場所に引っ越しをした時は、
その事実を出入国在留管理局の永住審査部門に伝える必要があります。
引っ越しした後は、新しい住民票の提出が必要です。転職した場合は、「契約機関に関する届出」を提出していないと、不許可になる可能性があります。
働いている場所が同じでも、契約形態が雇用契約から業務委託契約になった時には、同じく「契約機関に関する届出」を提出しなければなりません。
永住権申請の審査中に転職した場合の必要書類の例
- 新しい企業における在職証明書
- 新しい住民票
- 源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税に係る納税証明書(その3)
- 転職後に使用している健康保険証の写し
- ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面又は、年金定期便(全期間の年金記録情報が表示されているもの。はがきタイプの「年金定期便」は不可))
- 国民年金保険料領収証書(写し)(転職日から直近1年間において国民年金に加入していた期間がある方のみ必要。加入していない方は不要。)
このように細かい書類についてもしっかりと用意して提出していくことが、求められています。
永住権の申請については非常にハードルが高くなってきております。また、提出する書類についても複雑となっているので、申請にあたっては永住権申請手続きを専門とする行政書士に相談することをお勧めいたします。
- 永住ビザの申請手続きについてのご質問やお問い合わせについては行政書士法人JAPAN VISA STATUSまでメールもしくはお電話でお問い合わせください。尚、永住権に必要となる年金や社会保険のご相談についても社会保険労務士法人東京国際事務所(代表:佐藤正巳)がサポートいたします。
永住ビザは条件と診査が厳しいけれど取得すれば在留期間の変更手続きなどの制約がなくなります